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2017.06.22 Thursday

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    「ヒドリ」は水引きの「日取り」

    2017.06.22 Thursday

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      宮沢賢治・花巻市民の会による6月賢治カフェが先日行われました。この日のお話は、八重樫新治さんの「「雨ニモマケズ」の「ヒドリ」について」です。

      現代の水田は蛇口をひねるようにバルブを開けると水を供給できますが、賢治の時代は田植えの時期の水引きは争いのもとでした。水引きは農家の生殺与奪がかかった重大な農事で、この順番の優劣、争議により死者を出したほどだと言われています。水引きの順番を調整する集まりを日取りといったそうです。

      八重樫さんは「雨ニモマケズ」手帳を丹念に調べ、「雨ニモマケズ」は賢治がなぐり書きしたようなものではなく、推敲を重ねて書き残したものだとし、われわれはこの詩を大事に読み取るべきだと主張します。「ヒドリ」も賢治が書いたとおりに読むべきで、水引きの日取りを意味し、当時の水田農家の状況を踏まえれば「日取りに涙する」と解することは前後の文脈からなんの矛盾もないと述べられました。

      以前、同じ花巻に住む照井謹二郎氏がヒドリを日手間取りと解する論を提示し、「雨ニモマケズ」は原文どおり「ヒドリ」と読むべきであるといいましたが、八重樫さんもヒドリの意味は異なりますが原文どおりとすることを強く訴えています。